スクラム釜石座談会

五, 松倉にラグビーが帰ってきた日。そして、今後の課題。

有村 我々が初めて釜石に行かせていただいたのは、10月22日。
松倉グラウンドでの震災後第一戦の日でした。
ほんとうはもっと沢山の人が来てもいいのではないのかなとおもったのですが…

石山 有村さんがいうように、
関心が薄いなっていうのは正直ありましたね。
我々がやってた頃と比較するのは適切じゃないのかもしれないけど、
大学生呼んだりして練習試合やっていた時ももっと観衆はいたんですね。
なんか寂しいなっていうのがありました。
それは、一概にはいえないんだけども、
最近はラグビーに関する関心が薄いのかなっていうのと、
やはり震災でラグビーどころじゃないのかなという、そのふたつの意味があると思う。
うん。

高橋(博) でも僕はやっぱりやることに意味があったんだと。
確かに人は少なかった。
でもとにかくやることに意味があるというふうに自分ではおもっていますね。
被災したすぐのことを思うとね、
練習もできなかったのが、できるようになって、
しかも試合も現地でできるようになったっていう。
そのことが嬉しいというか。

高橋博行

有村 ええ、たしかにそうですね。
声を枯らして福来旗振ってるかたを初めて見た時、
人数の少なさはあれど、
これだけ待っている人がいるというのは感じました。

高橋(博) 一方で、その、何ていうんだろう…
言葉適切じゃないかもしれないけど「ムラ的」というか、
非常に限定的な感じがどうしてもしますよね。
同じ釜石の中でも、
ファンの層を広げるというか。
そういう努力はもっとしなきゃならないのかなとはおもいますね。

早川 我々がラグビーで復興支援をしようといっても、
響かない層があることを理解して、
復興支援をしていかなきゃいけないとはおもいますね。

高橋(博) そういう意味でも、やっぱり我々だけじゃなくて、
いろんな人と一緒にこの活動をスタートできたことも良かった。
もっと広げるためには、
もっといろんな人と連携するということをしていかないとこれは難しいんじゃないかと。
よっぽど広がりを持ってやらないと。

石山 そうですよね、
我々にはラグビーしかない。
でも、独りよがりになってはダメだというのはありますよね。

有村 なるほど、
だからそこらへんのバランスをどういうふうに取っていくかというのが課題と。

スクラム釜石タオル

早川 我々は立ち上げた時、
1~2年の活動ではなくて、
被災地が完全に復興するまで続けますということを宣言しています。で
も、我々は所詮ラグビーしかきっかけがないので、
ラグビーというキーワードでずっと支援を続けさせてもらいます、
という気持ちです。

三笠 ラグビーがどこかにあってそこから拡げていく。
…まあスポーツという括りでサッカーだとか野球だとか、
マラソンだとか。
あと地域的にも、釜石だけじゃなくて岩手とか東北全体とかね。

有村 スポーツの拡がりと、地域の拡がりですね。

三笠 はい。そういうふうに少しずつ拡げてくことはやりますけど。
なんか、何て言うかな、
俺らの力で復興させるんだ!っていうのはちょっとおこがましいというか。

石山 そういうのはないですよね、うん。

座談会の様子

早川 先ほどのラグビースピリットと同じように、
「所詮我々はラグビーしかできない」けど、
何か自分にできることがあれば一生懸命やります。
その想いをひとつにしたみんなと一緒に動くことで、
活動の輪がひろがっていけば。

石山 我々を通じていろんな人、
団体とか地域とか、
釜石や東北の支援と結び付けることができるんだったら、
それはもうどんどんやっていきたいと思いますね。

高橋(博) 我々自身みな仕事を持って、
しかも東北にいない。
遠くにいるっていうことから始まってる。
でも、そういう制約がむしろ良い方向に
働いてるような気がしてるんですよ。
要するに現地にいると
やっぱりすぐ瓦礫の撤去を手伝ったりとか、
直接的な活動をやっぱりしていたと思うんですよね。

石山 離れていたからこそ、力になれることってあると思うんですよね、

有村 ああ、なるほど。

早川 何らかのかたちで支援したいという人たちのかけ声って、
やっぱり多くて。
それに我々がいろいろ情報交換することによって、
何かご協力いただいている皆さんの力になればいいし、
我々の力になればいいしって。

有村 皆さんを見ていて、
すごく「社会人ラグビー」としてのスピリットをすごく感じるなと思うんです。
まず仕事を誠心誠意取り組んで、
夜は一生懸命ラグビーで汗を流して。
この活動もそうですよね。
皆さん全国に散らばってらっしゃるけど、
各地でそれぞれの仕事を一生懸命やって、月に一度みんなで集まって活動する。
そう、個人的に感じました。

早川 確かに、そうかもしれないですね。

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